地方移住に必要なお金の準備【教育費編】

近年、地方移住への関心が非常に高まっています。

ある調査では2008年から2018年までの10年間で、地方移住について相談する人が10倍になったという報道もあり、また実際に地方へ移住する人も増えてきています。

地方移住は、定年後を田舎で過ごしたいと考えるシニア世代だけでなく、自然豊な環境でのびのびと子育てをしたいと考える若い世代にも、ニーズが広がっています。

こうした動きはライフスタイルの多様化も相まって活発化していますが、移住に当たって考えておくべき重要な準備があります。

それは必要資金とライフプランニングです。その中でも大きなウェイトを占めるのが、住居費、交通費、教育費でしょう。

今回は「教育費」に焦点を当てて、どのように準備すればいいのかを解説します。

子ども一人当たりにかかる教育費はいくら?

教育費の準備についてお話しする前に、まずはこども一人当たりにかかる教育費がどのくらいになるのか、見ていきましょう。

文部科学省「子どもの学習費調査(平成28年度)」、および、日本政策金融公庫「平成31年度 教育費負担の実態調査結果」を基に試算した結果、幼稚園から大学まで、すべて公立に通学した場合は約1,000万円、すべて私立の場合は約2,500万円かかる事が分かりました。

令和元年10月1日より始まった幼児教育・保育の無償化や、各自治体で行っている高等学校の授業料支援制度が、所得に応じて使える場合がありますので、実際にはもう少し安く済むかもしれません。

しかし、塾や部活動などの費用まで考えると、子ども一人当たり1,000万円から3,000万円は準備をしておいたほうが安心かもしれません。

お金がもっともかかる時期は?

東京を中心とした首都圏や大阪、名古屋などの地方大都市圏では、中学や高校から私立に通うことも珍しくなくなっていますが、地方ではまだまだ公立の学校が主流となっており、学校や塾にかかる費用もそれほど多くはありません。

地方出身者の学費がもっともかかる時期は、大学受験から卒業までの期間です。

文部科学省が発表した「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」によると、大学進学時に他県からの流入数が他県への流出数を超過しているのは、東京や福岡など10都道府県にとどまっています。

つまり、地方の多くの学生は地元の大学ではなく、それぞれの地域の大都市圏にある大学に進学しているのです。

大学に進学すれば、入学金や四年間の学費がかかります。

加えて、地元から離れた場所に進学したのであれば、一人暮らしをする住居の家賃や生活費もかかるようになります。

全国大学生活協同組合連合会が2019年に行った調査では、地元を離れアパートや寮などで暮らす学生の平均家賃が53,000円、平均仕送り金額は72,810円となっています。

この金額をもとに大学4年間にかかる家賃と仕送り額を試算すると、家賃が約270万円、仕送りは約350万円となり、両方合わせて620万円にも上ります。

また、地方出身だからこそかかる費用として忘れてはならないのが、大学受験の際にかかる受験地までの交通費や受験地で過ごすためのホテル代などです。

受験地や日程がある程度まとまっていればそれほどかかりませんが、受験地がさまざまな地方にある場合や、日程がばらけている場合には費用がかさむ可能性があります。

教育費はどう準備する?

このように、地方で暮らす学生の場合、もっともお金がかかる時期は大学受験から大学卒業までの期間となります。

逆に言えば、その時期にどのくらいのお金が必要かをあらかじめ試算しておき、それまでの間に少しずつ貯めて行けば良いのです。

子どもの誕生からすぐに貯め始めれば約18年間、小学校入学と同時であっても10年間は貯める事ができます。

貯めるお金も、

  • 日々の収入から「教育費」として分けて貯める
  • 児童手当を使わずに貯め、不足分を貯蓄や学資保険などで補う
  • 学資保険をメインにして準備し、不足分を貯蓄などから補う
  • NISAやつみたてNISAなど、資産運用も併用して貯める

など、さまざまな方法があります。

具体的な教育費の貯め方については、子どもに迷惑をかけたくない!「教育費」を確実に貯める方法(「マネット」掲載記事)も参考にしてみるといいかもしれません。

ご自身が無理せず、確実に貯められる方法を選ぶようにしましょう。

まとめ

地方で子育てをする場合、もっとも教育にお金がかかる時期は大学受験から大学卒業までとなるため、早いうちから高額の教育費を準備しておく必要はあまりありません。

しかし、その時期には入学金や学費の他に、家賃や仕送りなども必要となるため、その分を見越して準備しておく必要があります。

教育費を貯める方法には、貯蓄の他にもいくつかの方法があります。

大学受験が始まるまでの時間を味方につけ、無理せず確実に貯められる方法で準備していくようにしましょう。