テレワークや二拠点生活を可能にする栃木県への移住について紹介

この記事を書いた人
服部 広子
FPサテライト株式会社
服部 広子

栃木県出身、東京都在住。大学卒業後、出版社に記者として勤務。主にエンターテイメントに関連の取材活動、原稿執筆を行うかたわらFPの勉強を始め、2007年にAFP資格を取得。2011年には介護事業所を運営する会社を設立し、訪問介護の事業所を経営している。現在はライター業と介護の仕事に従事しながら、FPとしても活動中。

2020年春から流行した新型コロナウイルスの感染症によって、改めて地方移住や二拠点生活(デュアルライフ)への関心が高まっています。

その理由は、企業のテレワークやオンライン会議の導入が一気に進み、自宅やサテライトオフィスなどで仕事をすることが一般的になったことが挙げられます。

ある程度の業務はテレワークで事足りることを実感した人たちの中には、こう考える人が増えたのです。
「働くための住まいは都会である必要はない」。

実は私自身、近い将来、東京と出身地の栃木県との二拠点生活を計画している一人です。

ある調査では、東京から転出する人の多くは、都心から50〜100キロ圏内の東京近隣の県に移り住んでいる傾向があります。我が故郷、栃木県もその一つ。

今回は、テレワークやデュアルライフの二拠点目として栃木県に移住するメリットについて、私の実感も交えながら解説します。

テレワークに栃木がおすすめの理由

栃木県に住む最大のメリットは、「東京都心へのアクセスのよさ」です。

県の中部に位置する宇都宮でしたら、東京までは東北新幹線で約50分、車でも2時間ほど。

同じ東京近隣県と比較しても、熱海(静岡県)と東京間は新幹線で約50分、甲府(山梨県)と新宿間は特急利用で所要時間は約1時間40分、とアクセスのよさでは劣りません。

交通の利便性が高い栃木県は、東京への通勤を可能にし、東京近郊で働くテレワーカーの移住先として大きな魅力になると思います。

交通費も割安

交通費が比較的安いというのも大きなメリットです。

宇都宮―東京間は、新幹線の自由席で4,490円、指定席で5,020円。
熱海―東京間の自由席で3,740円、指定席4,270円と比較しても高額ではありません。

私の地元・佐野市を例に挙げると、約20年前に「佐野プレミアム・アウトレット」が開業して以来、JR高速バスの本数が急増。東京へのアクセスが一段とよくなりました。

新宿駅(バスタ新宿)と東京駅(南口)で乗り降りでき、料金は片道1,550円です。
高速代金、都内での駐車場代を考えると、自家用車通勤よりもかなり費用をおさえられます。

企業によっては従来支給されていた定期代などの通勤手当を廃止し、実費支給の検討を始めている会社もあります。

アフターコロナの時代となっても、テレワークなどの新しい生活様式はある程度定着すると思われますが、今後の企業の動向にも注目していきましょう。

コロナで高まる20代の移住への関心

地方移住といえば、少し前までは、シニア世代が老後を田舎でのんびり暮らすイメージ強かったと思います。

6月に発表された内閣府の「第3回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」(全国の約1万人を対象に2021年4月30日〜5月11日にインターネットで調査)によれば、東京都23区の居住者(全年齢)で、地方移住への関心があると回答した割合は全体の38.1パーセント。
20歳代では、48.1パーセントにもなります。

この結果からも、コロナをきっかけに都会に住む若者が地方移住に関心を持つようになったことがわかります。

現役世代は稼がなければ生活できない

ここで注意したいことは、今、急増している現役世代の地方移住は、「働いて収入を得なければならない」という点です。

従来のリタイア後の移住生活は、退職金や都会の家の売却資金を元手に移住後の住居を確保することも、当面の生活費を賄うこともできたと思います。
しかし、預金の少ない若い世代は、それができないのが実情です。

私自身、地元の栃木に完全にUターン移住するのではなく、東京との二拠点生活を計画しているいちばんの理由は、「移住後の仕事=収入」の問題です。

家族や学生時代の友人、知人のいる私は、何かしらの縁で就職先を紹介してもらえるかもしれませんし、家業を継ぐという選択肢もありますが、私のパートナーは栃木とは全くの無縁です。就労先の選択肢が少ない地方で職が見つかる保証はありません。

現役世代こそお試し移住を

先述の内閣府の同調査では、東京都23区在住の20歳代で、「転職なき移住」(=地方に移住し、地方に住みながらテレワークで現在と同じ仕事を継続すること)への関心があると回答した人が、全体の4割を占めました。

働き方、暮らし方を変えることは、大きな負担と不安がともないますし、働きざかりの現役世代となればなおさら、失敗したときの打撃は大きい。

テレワークや二拠点生活を気軽に始める「お試し移住」も一つの選択肢だと思います。

まとめ

栃木県は、適度に都会に近くて、適度に田舎なところが魅力の一つです。

「仕事を変えずにテレワークを始めたい方」
「移住後、最初から大きく環境を変えることに不安がある方」

都会へのアクセスのよい場所を移住先の候補地に考えてみてはいかがでしょうか。

「お試し感覚」というと軽く聞こえますが、実際、住んでみないとわからないことはたくさんあります。
現役世代でしたら、いろいろな候補地に仮住まいしてみてもいいと思います。

住みながらその土地の人たちと交流を図ることで、想像もしていなかった天職との出会いが待っているかもしれません。
まずは第一歩を踏み出してみましょう。