茨城県への地方移住~県北編~

この記事を書いた人
宮田 千賀子
FPサテライト株式会社
宮田 千賀子

徳島県出身、茨城県在住で反抗期の娘を2人抱えるアラフォーシングルマザー。 介護、国内生命保険会社、外資系生命保険会社、不動産賃貸管理、ソフトウェア会社を経て、現在はドローンのインストラクターをしながら“空飛ぶFP”として活動中。 得意分野は「保険」「資産運用」など。「今加入している生命保険は本当に必要なのか?」保険業経験者だからこそお伝えできる保険の真実を伝えます。

魅力度ランキング最下位でおなじみの茨城県。

2013年から2019年まで7年連続最下位を独走していましたが、2020年に最下位を脱出し、42位に浮上。

しかし、2021年にはまたまた最下位に逆戻り。

むしろ魅力度ランキング最下位を自虐ネタとして売りにしている茨城県ですが、実際に「移住」という観点に立ったときどうなのか、詳しく解説します。

茨城県の特徴

山も海もあり、大洗町のあんこう、ひたちなか市のほし芋、水戸の納豆、鉾田のメロン、笠間の栗、土浦のれんこん、国営ひたち海浜公園のコキア、ロックフェス、日本三名園の偕楽園、牛久の大仏…など、数えればきりがないほど魅力があり、都心へのアクセスが良い地域もあります。

県民の性格としては、昔から「3ぽい(怒りっぽい、忘れっぽい、飽きっぽい)」と言われ、地域によっては独特の語気が荒いなまりがあり、最初は近づきがたいと感じる人もいるかもしれません。

男女問わず男勝りで根がまじめな人が多いと言われています。

その他、家が広く、自動車保有率が高いという特徴があります。地域によっては一家に一台ではなく、一人一台という場合もあります。寒い地域においては、冬はスタットレスタイヤが必須になります。

県内全域の取り組みとしては、妊娠届を提出した際に「いばらきKids Club」というカードがもらえます。妊娠中や18歳以下の子供がいる世帯がこのカードを提示することで買い物時に割引を受けることができます。

地方移住は生活を大きく変化させます。
憧れや、移住支援金だけではなく、その地域の特性をしっかり吟味した上で選択をする必要があります。

茨城県は、県北、県央、鹿島、県南、県西に地域区分されています。今回はその中でも、特に県北に絞って、地域の特性、気候、雰囲気、交通、子育てなどについて解説します。

県北エリア

(1)日立周辺…日立市、高萩市、北茨城市

日立市は田舎すぎない生活を希望する人に適しています。高萩市、北茨城市は交通や買い物などが少し不便ですが、大自然に囲まれたしっかり田舎を満喫できる地域です。

このエリアからは、日立市にスポットを当てて解説します。

日立市は茨城県の北東部にあり、言わずと知れた日立製作所創業の地です。

観光としては日立市かみね動物園や日立シビックセンター科学館、そして“宇宙から光の柱が見えた”ことでパワースポットとして有名になった御岩神社があります。

夏は海から吹く風が心地よく、水戸市などより1~2度気温が低くなります。冬は山間部には積雪がありますが、市街地への積雪はあまりありません。

景気が良かったころは駅前商店街も賑わっていましたが、徐々に人口が減少して現在は空き店舗が増えてきています。道路の整備が進んでいないので、国道6号、245号ともに渋滞します。

しかし、海と山が近いので豊かな自然と新鮮な食べ物、田舎すぎない生活を求める人にはおすすめです。

子育ての環境として、日立市内医療機関で出産した人に、おむつやミルクの購入に使える8万円分のクーポン券がもらえます。また家事や育児の無料サポート、第2子以降の0~2歳までの保育料は無料です。

さらに、新小学1年生にランドセルが贈呈、新中学1年生にはスクールカバンが贈呈されたり、子育ての支援は充実しています。

都心までは常磐線特急を利用すれば2時間ほどで行く事ができ、家賃が比較的安く、一人暮らしなら3~5万円で借りられます。

「地方移住をしてみたいけど、あまり田舎すぎないほうが良い」

と考える人には住みやすい環境であると言えます。

(2)常陸太田周辺…常陸太田市、常陸大宮市、大子町

常陸太田周辺は大自然に囲まれて交通や買い物が少し不便ですが、しっかり田舎を満喫できる地域です。

このエリアからは、大子町にスポットを当てて解説します。

大子町は北西部にあり、林業とリンゴの生産が盛んな町で、観光として、日本三大瀑布の一つである「袋田の滝」があります。

夏は暑さが厳しく、冬は袋田の滝が凍るほど寒くなりますが、その寒暖差がリンゴの栽培に適しています。

人口は徐々に減少していますが、ドローンを活用した苗木運搬の作業効率化を検証する実験を行ったり、大子清流高校では全国初となる「高校の授業でドローンの操縦を学び、操縦士資格取得試験に合格する」など、新しい取り組みを行っています。

駅前には商店街やスーパーもありますが、店舗数は多くはありません。

都心へのアクセスは電車の場合、常陸大子駅から水郡線で水戸駅まで約1時間半かけて行き、そこから常磐線特急で約1時間かかります。高速道路では最寄りの那珂インターまで国道118号経由で約1時間と、決して便利とは言えないので注意が必要です。

子育ての環境としては、豊かな自然の中でのびのびと子育てができます。

住む場所も、子育て世帯向けに建てられた戸建の町営住宅があり、その家賃は「子供の数×1万」を減額する制度があります。

さらに、保育園及び幼稚園の利用料が無料になる制度があります。

「交通や買い物に多少不便があっても、大自然に囲まれて田舎の暮らしを満喫したい人」には住みやすい環境であると言えます。

まとめ

今回は茨城県への移住の中でも、県北に絞って解説しました。

なんとなく地域のイメージが持てましたか?

移住先でリモートワークを継続できるのであれば問題ありませんが、移住後に新たな仕事を探す場合は、企業や店舗が少ない分、職探しが困難な上に収入が減少する可能性もあります。

「田舎でのんびり暮らしたい」「自然の中でのびのび子育てしたい」「セカンドライフを楽しみたい」など、様々な移住の理由があると思います。

しかし、自身や配偶者の故郷など、ゆかりのある土地ならその土地での暮らしがイメージしやすいですが、そうでない場合は慎重に移住を検討する必要があります。

茨城県出身の人に住んでいた時の様子を聞いてみたり、実際に足を運んで町を見てみたり、生きた情報を仕入れることも判断するための重要な材料になります。

人生を大きく変化させる「地方移住」は大きな決断だからこそ、しっかり調べて成功させたいですね。

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