海も山も人も楽しめるまち-静岡 県静岡市-Part.3

Day3(6/2)

海で日の出鑑賞
→ PORTO Mochimune/マルシェについてのブレスト
→ オクシズベース/地元食材を使った定食を堪能
→ 志田島園/手摘み茶のお茶淹れ体験

旅先での朝は早くなりがちである。この日は4時に起床し、皆で浜辺に日の出を見に行った。曇っていた上に予報よりも早く日が昇っていたので、結局日の出を見ることはできなかったが、朝の海岸でのんびりとした一時を味わった。

コワーキングスペースにて

8時になると、オープン前のワーケーション専用施設「PORTO Mochimune」の一階部分にあるコワーキングスペースに集まって、前日のうちに各自収集した情報の共有とマルシェに関する案出しをした。

初回の案出しということで細かい部分についてはあまり触れず、地域に関わらず個人的に挑戦したいというレベルのことまで含めて語り合った。皆の関心分野を知ることができる時間にもなった。

話している途中でPORTOのオーナーであり、ADDress用宗B邸の家守でもある佐々木さんがいらっしゃった。佐々木さんは私たちの近くで作業をされていたので、ひとしきり議論を終えた後、

「聞こえていた範囲で良いのでフィードバックがあればお願いします!」

とお願いしてみると、元行政職員として、これから準備を進めていく上でのコツを教えてくださった。コワーキングスペースならではの収穫である。

佐々木さんによると、用宗には宿泊施設がいくつかあるもののラグジュアリー志向の施設がほとんどであることから、気軽にワーケーションを楽しんでもらえるようにとPORTOのオープンを目指しているそうだ。

一人で施設を管理していくために工夫されていることや、内装に関するこだわりについても話してくださった。空間デザインに関心のある私にとっては大変興味深い話で、将来ゲストハウスを運営してみるのも良いな、と妄想を膨らませながら聞いていた。

PORTOの前で

中山間地域へ

昼前になると静岡市の中山間地域「オクシズ」に向かった。途中、元地域おこし協力隊の冨田さんらが経営しているというカフェ「オクシズベース」にて昼食をとることになった。いただいた定食はその量もさることながら、地域で採れた食材をふんだんに使った贅沢なメニューであった。

特に印象に残っているのは、蓮根に静岡の名産・わさびをからめた一品である。私はあるトラウマからわさびがあまり得意ではないのだが、この一品に使われていたわさびは味噌のような甘みがあり、とても食べやすかった。おそらく小さな子どもでも食べられるだろう。

昼食が終わると、手摘みの茶葉を使ってお茶を淹れる体験ができるということで、お茶農家「志田島園」へと向かった。この日はあいにくの雨であったが、雨の日ならではの雰囲気のある景色が広がっていた。

茶葉を手摘みするには当然のことながら手間がかかる。志田島園では、80人の人手で丸1日かけて約9㎏の茶葉を摘むそうだ。加工まで自分たちの手で行っているため、シーズンになるとお手洗いにたつ暇もなく何日にもわたって加工作業をし続ける。作業期間が過ぎた頃には「座ってご飯を食べるなんて久しぶりだなぁ」と感じるそうだ。

そんな風に手間をかけて加工された茶葉は、普段飲んでいるお茶よりも深くて優しい風味があった。一番煎じは旨みが、二番煎じは渋みが出るとのことだったが、予想していたよりも大きく味が変わったので驚いてしまった。個人的には二番煎じのお茶が気に入った。

どのお茶が好みだったか皆で語り合っていると、農園の方が煎じた後の茶葉で作ったふりかけを出してくださった。茶葉をごま油で炒めた後に、めんつゆやゴマを加えて作ったそうだ。

ふりかけにするのにも適した柔らかい部分を選んで摘むことができるのも、手摘みの良いところだと教わった。本来捨てられてしまうはずの茶葉を活用しようという姿勢に、何かのヒントを得られたような気がした。

茶葉を使ったふりかけ

この後、「オクシズ」から静岡の中心に戻る道中で、プログラム主催者の星野さんにインタビューを行ったのだが、そこで聞いた内容はまた別の記事にまとめることとする。

まとめ

今回の旅ではプログラム主催者・星野さんのつながりで、静岡市の「海」も「山」も「人」もと、幅広く味わうことができた。今後も年内に何度か訪れる予定だが、その際さらに掘り下げていきたい糸口をたくさん得られた三日間であった。

宿泊していたADDress用宗A邸やPORTO Mochimuneにはまだまだ気になる箇所がたくさんあり、掘れば掘るほど随所に工夫が散りばめられているであろうことが短期間でも十分に伝わってきた。そこから生まれる人と人との交流からも目が離せない。

また、今回は天候や日程の関係で諦めたしらす漁船への乗船体験やマリンアクティビティ、浜辺での野宿(これも許可されているらしい)に「オクシズ」の紅葉や秘湯……。静岡市は三日間にはおさまりきらない魅力に溢れている。

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