「多拠点生活」という新しい移住のカタチ
近年、「デュアル生活」・「多拠点生活」という言葉を目にする機会が多くなりました。
「デュアル生活」と聞いて想像するのは、平日は仕事で都会の家で生活し、週末や長い休みは自然豊かな地方のもう1つの拠点(家や別荘など)で過ごす生活です。
「多拠点生活」は主な拠点以外に2か所以上の拠点を持ち、目的や気分、季節に合わせて回遊するようなパターンもあります。
多拠点生活者の増加
ひと昔前は、芸術家や成功してアーリーリタイヤした人など限定した人だけができるイメージだった「多拠点生活」。
現在はクリエイターや、働く場所に縛られないノマドワーカー(フリーランス)、20~30代の家族などで多拠点生活をおくる人が増えているようです。
一か所にとらわれず、多拠点に身を置くことでクリエイティビティが刺激されたり、心身ともにリフレッシュできたりと良い気分転換になりそうですね。
2拠点のデュアル生活に限っても、リクルートがまとめた「2019年のトレンド予測」では「デュアル生活開始者は2018年で17.1万人」、「デュアル生活の意向者は推定11,000万人」と意識調査の結果が出ています。
私は個人的に、海と山が徒歩圏内にあるところに住むのが好きで、なおかつ都会にも比較的出やすい現在の拠点は気に入っています。
しかしながら寒さにめっぽう弱いので、冬がやってくると毎年暖かい南の島に春まで移住したくなります。もう少し働き方や家族のライフステージが変われば、ぜひチャレンジしたいです。
拠点別の副業で、パラレルキャリアの促進
「都会で仕事をして、地方では余暇を楽しむ」という従来のスタイルではなく、地方でも副業やもう1つの本業として仕事をするという選択肢も増えてきています。
ICT(情報通信技術)の発達により、地方にいても都会の仕事ができます。しかし、地方ならではの仕事を副業とするのも収入の複線化や、仕事を通じて地域の人と関わることができるので、人間関係の新たな構築や本業に良いシナジー効果も生まれるかもしれません。
仕事だけでなく、地域の活性化や町おこしの活動をしても楽しいと思います。
人生は一度きり、自分の可能性を狭めず広い視点で自分の人生を楽しく歩んでいきたいですね。
自治体の空き家活用策
多拠点生活希望者に応えるように、日本国内や海外の拠点をいくつも利用できる定額サービスが続々と開始しています。
試しに、地方自治体でこのような拠点利用の定額サービス提供業者と提携し、空き家になっている物件を改装から任せてみてはいかがでしょうか。
自治体とはまた違う視点で、ニーズを掘り起こすチャンスになるかもしれません。
このように価値観も働き方も多様化した昨今、住まいの自由化は人の流動性を高め、都会だけでなく様々な地方に目が向く良い機会になるのではないでしょうか。