日本のハワイ〜沖縄へ移住しませんか?

この記事を書いた人
FPサテライト株式会社
傅 禕婷

上海出身、東京都在住。上海の大学を卒業後、日系の広告代理店に9年間勤務。2015年に来日、結婚をきっかけに、家計管理を任された。その時から、日本の税制や保険などに興味を持ち始めた。 お金の知識を豊富にしたく、世の中の複雑な経済の仕組みを知りたいため、FP2級を取得。今後はFP1級やCFPも目指している。現在はインバンド業界に従事しながら、FPとしても活動中。

移住と言えば、皆さんはどこに移住したいですか?私は海が好きなので、沖縄に移住してみたいです。

2020年10月の国勢調査人口確報値のデータからみると、沖縄の人口増加率は東京の次に、第2位になっています。沖縄に移住する人も増えているでしょう。

(出典)総務省「令和2年国勢調査 人口速報集計 結果の要約

また、沖縄は綺麗な海に囲まれ、ビーチで遊んだりリゾートでのんびり過したり、抜群の癒し効果があるイメージが強いでしょう。でも、旅行の気分で行くのと実際に生活するのは全然違うとよく聞きます。ネットで調べると、失敗例やネガティブな声も溢れています。

私も旅行で行ったことしかありませんので、いろいろな情報を調べました。今回は私が調べた情報と感想をお話しします。

沖縄の概要

沖縄県は日本の南西端に位置し、広大な海域に散在する琉球諸島の島々大小160から成ります。そのうち有人島は47です。
総面積は、2,281.00 ㎢で、国土総面積(377,975.24 ㎢)の約 0.6%となっており、香川県、大阪府、東京都の次に全国で4番目に小さい県です。

琉球諸島亜熱帯海洋性気候の下、温暖で四季の寒暖差が小さく他県に比べると一年を通じて温暖な気候に恵まれています。代表として県庁所在地の沖縄市では、年間平均気温は約22℃となっています。月平均でみると4月から12月の間は20℃以下となる月はなく、最も寒い2月でも10℃以下になることはきわめて希です。

(出典:沖縄市の概要

こんな位置と気候ですが、毎年台風が最も多く接近します。台風対策をきちんとしなければなりません。

沖縄の物価は全国に比べると安い

移住すると、最も気になるのは生活費ですね。

沖縄の物価は安い印象があるかもしれません。確かに、総務省が2021年に公表した「小売物価統計調査(構造編)/2020年」では、沖縄県の総合消費者物価指数が47都道府県の中で33位と低いことが分かりました。(全国平均を100としている)。また、沖縄県の消費者物価指数はここ数年上昇しています。他の都道府県と比較して物価水準が安いですが、極端に安いことはありません。

(参考)総務省統計局 小売物価統計調査(構造編)年報 2020年

地方の公共交通は不便なイメージがあります。マイカーがないとどこにもいけないと思っている方も少なくないかもしれません。では、沖縄の交通事情はどうなっているか。

沖縄の那覇市ではモノレール(ゆいレール)やバスが走っています。バスの運賃は区間により異なりますが、大体100円〜240円です。東京の都バスの均一210円より、幅が大きく感じます。モノレールは大体230円〜370円です。東京のモノレールよりも安く感じます。

マイカーを持っている方は、高騰が続いているガソリンの価格が気になると思います。ここで朗報があります。沖縄県は『揮発油税』が軽減されているため、ガソリンの価格は他の地域と比べるとリッター7円ほど安くなっています。

そのため、タクシー代も安く、それは嬉しいことですね。

沖縄の家賃は都心より安く感じる

沖縄の家賃は全国平均と比較して低くなっています。那覇市のワンルーム〜1DKは約4.3万前後、1LDK〜3DKは約7万円前後、3LDKは9.7万円以上。

もちろんこれは参考値です。繁華街エリアやオーシャンビュー等の部屋は多少高くなると思いますが、東京都と比べると本当に安く感じますね。

沖縄の賃金は全国で低い方に入る

沖縄の賃金は安いです。厚生労働省が公表した「令和3年度地域別最低賃金額」を見ると、沖縄の賃金は最も安いことが分かります。最も高い東京は1,041円、沖縄の最低賃金は820円となっています。アルバイトを考えている方は、ちゃんと生活計画を立てたほうが良いかもしれません。

仕事に関して沖縄県の雇用状況を見ると、2020年から有効求人倍率は下落となっています。これは新型コロナウイルスの影響が大きいと考えられます。コロナ流行前の2019年の有効求人倍率は1.34倍で、全国平均の数値まで達していませんが、2015年からずっと上昇していました。しかしコロナ流行後の2020年から2021年にかけて1倍以下になっています。

コロナが終息すれば、観光サービス業が回復してまた上昇すると期待しましょう。

(参考)沖縄県ホームページ「令和3年8月の雇用状況

最近テレワークやリモートワークが推進されていますので、東京に本拠地がある企業に所属したまま沖縄に移住してテレワークで働くと、両方のメリットが得られるかもしれませんね。

移住支援事業を行っていません

残念な話ですが、沖縄県は現在移住支援金・起業支援金は行っていません。

今後どうなるのか、一緒に注目してみましょう。

まとめ

沖縄は一年を通して温かく、物価、交通、家賃は都心や他の地域より安い一方で、台風が多く、賃金が安く、政府の移住支援金はまだ行われていません。このような状況で沖縄に移住するのがいいかどうか、不安になるかもしれません。それは本当に行かないとわかりませんので、個人が住みたい街の家賃や仕事の年収やライフスタイルを組み立てて計画したほうが良いでしょう。

沖縄県は移住体験等もありますので、まずは足を踏み出してはいかがでしょうか。

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