移住を考え始めたら…②場所を決めてみよう!
北九州市立大学4年生の学生インターン(22卒)。大学の授業でFPの存在を知ったことをきっかけに、FPの資格や仕事について興味を持ち始める。FPサテライトのインターンシップに参加したことを機に、執筆活動を中心にFPとしての活動を始める。若者ならではの視点、地方出身者ならではの視点を武器に活動中。「お金に関する困りごとはFPに相談」という概念を当たり前にするという野望を持ちながら、地方からFPの普及を目指している。
前回のコラムでは、情報収集にフォーカスを当てて解説しました。
情報収集はできたでしょうか?
必要と思える情報を様々な視点から集めることはできましたか?
今回のコラムでは、「場所」にフォーカスを当てて解説していきます。
場所といっても、日本国内に限らず、海外への移住を考えている方もいらっしゃると思います。
さて、場所を決めるにはどうしたらよいでしょうか?
違いを知る
まず、移住するにあたって、各土地の違いを知る必要があります。
気候、文化、制度…同じ日本でも各地で異なることが多いでしょう。
旅行に行っただけで、やはり地元とは違うな…と感じたことはありませんか?
それが「違い」です。
短期間の旅行ならその違いを楽しむことができたとしても、長期間その土地に住むとなると違いを楽しむことができるでしょうか。
海外への移住となると、さらに違いが増えます。
移住をする前に、情報収集をし、「違い」を知ることで、移住後のギャップを減らすことができます。
安心して移住先で暮らすためにも、このコラムを参考に「違い」を知って、移住先の場所を決めましょう。
※各地へ移動する際は、各地域の新型コロナウイルスに関する最新状況や規制を確認した上で、移動してください。
気候の違いを知る
1つめの違いとして、「気候」が挙げられます。
日本でも、北海道と沖縄は同じ気候と言えるでしょうか?
春・夏程度は同じような服装でも良いかもしれません。しかし、秋・冬になると北海道では雪が降ります。
日常生活に雪かきがあり、スノータイヤの車に乗る。
きっとこれは、沖縄にはない習慣でしょう。
このように、日本国内でも気候は違います。
海外となると四季ではなく、乾季・雨季という地域もありますよね。
ここでは参考に各地の気候を挙げてみます。
(*)気象庁HPより作成
上記のグラフで示したように、気候だけでも大きな違いがあります。
日本は地震大国と言われていて、地震が多い島国でもあります。
外国でも、同じように地震大国であったり、ハリケーンが発生しやすい国であったりします。
気温差だけではなく、そのような違いもありますよね。
気候によって、家の造りも全く異なります。
気候の違いは、それに派生して様々な違いをもたらすことになるので、重要な検討材料です。
長く暮らすとなると、気候は考慮すべき大切な一面であると言えるでしょう。
文化の違いを知る
次にフォーカスを当てるのは「文化」です。
気候と同じように、文化も日本国内でも違います。
その街ならではの風習や伝統行事もあります。
特に田舎になると、やはり伝統を重んじる風習があることは否めません。
海外となると、さらに異なる文化は多くなってくるでしょう。
よく知られている文化の違いというと、「靴」だと思います。
日本では、基本的に室内に移動する際は、ほとんどの場合が靴を脱ぎます。
「土足厳禁」の表示もよく見かけますよね。
反対に、海外では基本的に靴は履いたまま、室内に入ります。
幼少期から靴を脱ぐ習慣が当たり前になっている日本人にとっては、この靴を脱がずに室内に入ることに違和感があるのではないでしょうか。
上に挙げたような文化の違いはほんの一例です。
中には、罰金や罰則になってしまうような文化の違いもあるので、移住先で生活をする際には注意が必要です。
そのためにも、あらかじめ文化の違いを知っておくことは移住先で快適に過ごすためにも有効であると言えるでしょう。
環境の違いを知る
最後に、「環境」の違いも大きな影響を与えます。
「環境」と一口に言っても、様々な種類の環境の違いが存在しています。
ここでは日本国内を前提として、いくつか大まかな違いを分けて解説していきます。
「働く」環境の違い
都心部と地方では、働く環境も違います。
都心部では、通勤に1時間以上かかっても当たり前という雰囲気がありますが、地方では通勤に1時間以上は長いというイメージがあると思います。
完全在宅ワークとなると、地方でも都心部と変わらずに仕事をすることができます。
しかし、例えば、週1回は出勤となるとどうでしょう。
交通費、通勤時間などを合計すると結構な負担になると思いませんか?
心機一転、移住先で新たな職を見つけようと思われている方もいらっしゃるかもしれません。
移住先は、求人が多くあるでしょうか?
自分がしてみたいと思える仕事があるでしょうか?
都心部と地方では、やはり求人数に違いがあります。
文化や経済の発信はやはり東京から、という場合が多いので必然的に職種も都心部の方が多い傾向にあります。
「買う」環境の違い
続いて、買う環境の違いです。
ここでの買う環境として、「物価」に焦点を当てて解説していきます。
長く同じ土地に暮らしているとあまり感じることがないかもしれませんが、物価にも地域差があります。
総務省の消費者物価地域差指数によると、令和2年に物価が最も高かったのは東京都、反対に最も物価が低かったのは宮崎県でした。
このように同じ日本国内でも、物価の地域差はあります。
(出典)総務省「小売物価統計調査(構造編)結果」
同じ商品だからといって、どこでも同じ値段で売っているとは限りません。
地方で暮らしていた人が、都心部に移住すると、物価の高さに驚くかもしれません。
買い物は必須なので、物価の違いは生活していくうえで大きな影響を与えるでしょう。
「学ぶ」環境の違い
さらに、学ぶ環境も違います。
都道府県によって、小学校や中学校・高校の数は異なります。
また同じ都道府県内でも、地域によって学校数が大幅に異なるという都道府県もあるのではないでしょうか。
文部科学省の学校基本調査によると、令和3年では中学校の数が最も少なかったのが鳥取県、最も多かったのが東京都でした。同資料によると、同様に高校の数も鳥取県が最も少なく、東京都が最も多かったようです。
(出典)文部科学省「学校基本調査」
また、東京都では私立の学校が多く、私立校へ進学する人も多い傾向にあります。
私立校へ進学するための受験費用や学費を合わせるとやはり公立校へ進学するよりは多くの費用がかかってしまうでしょう。
地方では、やはり都心部に比べて学校数も少ない分、進学する学校の選択肢も必然的に減ってしまいます。
一人で移住する場合は、問題ないかもしれませんが、家族で移住する場合や結婚して子供が欲しいと考える場合では、「学ぶ」環境の違いは知っておくべきです。
まとめ
今回のコラムでは、様々な違いについてピックアップしました。
場所の様々な違いを理解していただけましたでしょうか?
今回例に挙げた違い以外にも、多くの違いが存在しています。
今回のコラムを、場所を決める検討材料にしていただけると幸いです。